ペットボトル症候群に要注意!

暑い夏。

この時期に気を付けたい記事があったので、紹介します。

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危険な水分補給。ペットボトル症候群に要注意

2022.6.20
豆知識
[提供:株式会社NHK出版]
夏には、熱中症予防のためにペットボトルを持ち歩く人が多くいますが、注意したいのが、「ペットボトル症候群」。清涼飲料水などの過剰摂取が引き起こす症状で、最悪の場合には命に関わることがあります。
清涼飲料水500mLで角砂糖17個分

ペットボトル症候群とは、大量の糖分が体内に入ることで引き起こされる急性の糖尿病の症状です。
正式な病名は、「ソフトドリンクケトーシス」といいます。

 

炭酸飲料や清涼飲料水には、意外なほど多くの糖分が含まれています。
500mLの炭酸飲料水に含まれる砂糖は50g前後。
1個3gの角砂糖なら、およそ17個分です。
これだけの糖分が短時間に体内に入ると、高血糖状態に陥り、のどの渇きが増してしまいます。
このため、さらに清涼飲料水を飲むという悪循環に陥るので、血糖値がさらに上がって、糖尿病のような状態に。意識がもうろうとして昏睡(こんすい)状態に陥ることもあります。

ノンカロリーは、カロリーゼロではない

近年、ペットボトル症候群が増えたのには、手軽にペットボトルの飲料が買えるようになったことが関係しています。

また、水のように見える飲料ではエネルギーや糖分が高いとは思わず、水をとるつもりで飲みすぎてしまうことが理由と考えられます。

ペットボトル飲料のなかにはノンカロリーやノンシュガーと表示されたものもありますが、実はこれらの商品もエネルギーや糖分はゼロではありません。
栄養成分の表示では、100mL当たり、エネルギー量が5kcal未満ならノンカロリー、糖類が0.5g未満ならノンシュガーという表示が可能になります。同様にカロリーオフは100mL当たり、エネルギー量が20kcal以下、微糖や低糖は糖類が2.5g以下のものとされます。
夏場の水分補給は重要ですが、くれぐれもエネルギーと糖分の過剰摂取には気を付けてください。

そこで「梅干し水」がお勧め

一方、水だけを補給しようと考えるのも危険です。体内のミネラル濃度が減少し、体調不良を招くおそれがあります。
夏の水分補給は特に、水分とミネラル(ナトリウム)が必要です。
汗をかいたときは、水に梅干しを入れて一混ぜした「梅干し水」を飲むのがお勧めです。
梅干しからナトリウムやクエン酸が溶け出し、夏バテ防止にも役立ちます。

※この記事は、執筆時点での情報に基づき作成しております(執筆年月日:2019年4月17日/確認年月日:2022年6月30日)。
[監修]松田早苗 まつだ・さなえ
女子栄養大学短期大学部教授